「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法―」(勝間和代)

新聞で「今、『勝間本』が売れている」という記事を見て、読んでみたのだったと思う。(3月頃読了)
それほど画期的なことは書いていない(※)が、ITを駆使できる現状に即した知的生産の技術であるところが新しさか。ただ、内容はかなり濃い。また、具体的なサイトや本が紹介されているところが便利。
全体に著者の気合が伝わってきて、刺激を受けるとともに若干辟易する。が、結果として影響を受けている。考えてみたら、こうしてブログを更新しているのも、この本の影響によるところが大きい。やはり、この手の本は、著者の気合と熱気を感じて楽しむべきものか。

(※)ちなみに、「画期的」だと思うのは「『超』整理法」(野口悠紀雄)。

■インプットの技術
○溢れる情報のうち「1%」の本質を見極める。
フレームワーク力:思考の枠組。
 ・数百のフレームを意識できるようになると、情報収集力が格段に向上する。
・ディープスマート力:暗黙知による洞察。情報の価値への勘。
(1)ノートパソコンの活用
・情報のPCへの一元化が目的。検索の容易性が魅力。
・常にGmailに転送。情報の一元管理と検索性とバックアップが目的。
(2)フォトリーディング親指シフトマインドマップ
フォトリーディングとは、
「全体を見ること」
「問題意識を持つこと」
「リラックスした状態で情報を入力しやすくすること」
 …などの技法の集合体。
(3)アナログとデジタルのバランス
・紙の利便性。入力の中心は紙情報。メモを持ち歩く。
・すべてをデータ化することはない。自分の頭に入力し、検索できることが重要。
(4)「良書・他者体験・実体験」から情報を得る。
・知的生産のスキル向上のためには、
 1)原理原則論を学ぶ
 2)ケースを学ぶ
 3)自分のやり方を試行錯誤する
・常に3つの視点からの情報で判断する。
・情報の「空・雨・傘」の区別、つまり「事実・解釈・行動」の区別が重要。
・マスメディアは効率が悪い。特にTVは観ない。
(5)耳の活用:オーディオブックの活用も。
(6)睡眠は投資:寝ている間に情報が整理される。6時間以上の睡眠を。


■読書投資法
(1)著者と対話しながら読む
(2)とりあえず買っておく
(3)5,000円以内の本は買う
(4)自分のテーマのアンテナを張っておく
(5)ベストセラーに頼らない。内容の薄い本が多い。
(6)読んだら捨てる。保管する本は10分の1
(7)スピード最優先。線引きやまとめ書きはしない
・頭の中に格納する。自分の言葉に置き換えて理解する。
・じっくり読まない。無意識層に残す。後で引き出せればよい。
・すき間時間を活かす。
・自分の課題、目的を設定してから読むことで効率的インプット。


■アウトプットの技術
・最大のポイントは、「いかに情報を再現性がある形で分解し、再構築できるか」。
・情報を絞り込んで軸を発見する。
 1)簡略化:情報整理とは簡略化。伝わりやすくなる。
 2)階層化:簡略化と同時に階層化も。必要なときは展開して伝える。
 3)フレームワーク化:全体像が分かること。
・情報の絞込みの技術
 1)ピラミッドストラクチャー:情報を分解していく手法 
 2)MECE:「漏れなく・重なりなく」
 (※これらは「マインドマップ」で可能になる。)
・話す前に4つのポイントを意識する。
 1)伝えようとしている全体像
 2)それをフレームワークで分解するとどのような構造か?
 3)簡略化したときの最も重要なメッセージ
 4)その中でさらに相手に伝えることが必要な階層情報は?
・「Give5乗の法則」:情報を発信するほど情報が集まる。
・学んだことを自分の言葉で表現すること。数字に置き換えること。
・ブログにアウトプットする。

ちなみにこの本では、上述のような本の内容に沿ったまとめは時間の無駄だからすべきではないと戒めている。
読み返しながらまとめていたらそう書いてあった。手遅れである。
ただ、読み返さないと思い出さなかったわけだから、やはり私のような凡人には、多少無駄でも必要な作業なのかもしれない。