2004-01-01から1年間の記事一覧

 「ハイデガー=存在神秘の哲学」(古東哲明)

シンクロニシティが炸裂した。 最近ここで書いてきたことと、以前別のサイトに書いてきたことと、リンクし、共鳴しあっていた。 きっと、10年前に読んだら、ピンとこなかっただろう。 5年前に読んだら、目からウロコと涙をボロボロとこぼしながら感動し、…

「デビルマン」(永井豪)と「寄生獣」(岩明均)

さて、たまたま本棚に並んでいた「デビルマン」と「寄生獣」を読み返す。 今まで意識しなかったけれど、同じようなことをテーマにしていた。 「人間の『悪』としての存在」。 地球はもともと「悪魔」の住む場所だった。後から現れて地球を汚し、弱いくせに凶…

吃驚仰天

先月の電話料金を見て仰天した。 データ通信料が、2万円を超えている…。 私はこのブログの更新を、主にPDAと携帯の「dopa」(パケット通信)機能によって行っていたのだが、その結果がこのザマである。 どれほど下らない文章でも、パケットに直せば値段は同…

「20世紀少年」(浦沢直樹)

現在、唯一買い続けているマンガである。 ミステリー的演出のうまさによって、ついつい買い続けてしまう。ほんとに天才的である。 話に粗さはある。というか、設定はハリウッド映画並みにむちゃくちゃである。 「敵の正体が不明」であることが前半を引っ張る…

「PLUTO」(手塚治虫/浦沢直樹)

浦沢直樹氏は天才だ。 手塚治虫氏は当然にもう神様で、マンガの演出方法を作り上げたような人なんだけど、浦沢氏もまた、マンガを新たな境地に持って行っている。氏の演出は素晴らしい。 また、マンガの神様の原作のリメイクを受けようと思うくらいだから、…

短編小説「油断」

うっかりしていた。 すっかり忘れていた。 あちゃー。まさか! ここまで忘れてしまうとは思ってもみなかった。 油断していた。 まさか今日が締め切りだったとは。 ここ、2050年の日本においては、環境の悪化が激しく、水、食料、石化燃料、新鮮な空気など、…

短編小説「転機」

状況が変化していた。 全くもって変わっていたのだった。 話が違うではないか。 こんなはずではなかった。 全然違うじゃん。 そう叫び出したかった。 しかしできなかった。 サラリーマンとして、それだけはしてはいけなかった。 組織に生きるものとして、そ…

マスコミについて

大麻などの麻薬が若者の間に広がり、摘発が進んでいる。憂えるべきことである。 としたら、なぜだろうか? 法律違反であるから、良くない。良くはないのだがしかし、それでは説明になっていない。 マスコミが言うように、そんなことをやるのは、反社会的で危…

補足

さて、先日書いた、退屈をやり過ごす戦略についてですが、「目標に向かう生き方」を敢えてやっているのか、何も考えずにやっているのかによって大きく違ってくるように、「祭に参加する生き方」も、実は、「向こう側」を本当に深く知ってから戻ってくるのと…

「向こう側」と「敢えて」

さて、前回の文章の後半はネタのようなことになって終わってしまったのですが、でも実際に、閉塞した世界を乗り切るために、「なんでもいいからとにかく働く」というのは戦略の一つです。 現在の状況認識については、何度か書いていますが、「社会は成熟し、…

自己言及(3)

さて、こうして書いていて、心もとないのが「文体」です。 きっと自分の文章のセンスに自信が持てるのは、20代半ばまでです。もうあれです。若者のセンスとかそういうのは分かりません。カラオケでも新譜のページは飛ばして見ます。別にいいじゃん?と開き…

自己言及(2)

さて、こうして言葉の限界のようなところに意識を向けつつ文章を書き、一方的にエネルギーを吐き出していると、消耗もするのですが、不思議なことに、別のところから情報が入ってきたりします。これは一種のシンクロニシティのようなものでしょうか。水泳で…

自己言及(1)

さて、そろそろ書きたいことも一巡してきたので(え、もう?)、書いていて感じたことをいくつか並べてみることにします。 まずは、仕事をする情熱が失われます。これは、以前大量の文章をアップしていた時にも感じたことですが。 私はどうやら仕事を「自己…

書くということ

1つのコップがある。中には泥水が入っている。 この水をきれいにしたいと思う。 一番良いのは、放っておくことだ。 泥は沈殿し、上澄みは透き通る。 しかし、水と泥とがきれいに分離してくると、泥だけがきれいに取り除けるのではないかと思ってしまう。 そ…

「イワン・イリッチの死」(トルストイ)

分かりやすく、感動的。 1884年の作品が「分かりやすい」ということがすでにすごいことだ。主人公の裁判官の生涯には、普通に共感(もしくは理解)できる。 彼の生涯は、普通に地位や名誉を求めるもので、向上心にも溢れている、悪くないものだ。という…

「海辺のカフカ(下)」(村上春樹)

再読する。 やはり、村上春樹の最高傑作であると思う。 世界を突き動かす大きなもの―「運命」のようなもの―と、その道具としての人。 完全に受け入れ、受動的になることで、「運命」は向こうから訪れる。そして、本当に意味のある「役割」は、そのようにして…

「NO1 モータウン」

とてもポップで明るい。 ダイアナ・ロス&シュープリームスとジャクソン5が、特に際立っている。 ダイアナ・ロスのハスキーかつキュートな歌声は、もう反則だ。 マイケル少年の伸びやかな歌声もまた、輝いている。才能が溢れだしている。 どうしても考えて…

「ヘルタースケルター」(岡崎京子)

この作品を書いた後、岡崎氏は交通事故にあった。その後、リハビリを続けておられるようだが、もう作品は書かないのではないかと思う。これが「遺作」になるのではないかと思う。 これが書かれたのは1996年だった。 加速するイメージと欲望。快楽の追求…

「ピンポン」

昨日書いた「スパイダーマン2」の感想つながりで。 「I can fly!」と窪塚は実際に飛んだけれど、飛ぶ前に観ていた。 もう、とにかく泣けた。爽快感と、カタルシスで。映画として、素晴らしい。ベストに近い。 原作も、というか原作こそ最高だと思っていたの…

「スパイダーマン2」

アクションと恋愛、エンターテイメントと深さのバランスが取れていて良い。 楽しめて、かつ泣ける。 主人公は、自分の生活を犠牲にし、彼女には理解されず、マスコミからも叩かれる。だから、葛藤がある。しかし、結局は自分の信じる正義のために生きること…

「SMiLE ミレニアム・エディション」(ビーチボーイズ)

海賊版である。「全世界限定1000枚発売」などと、ありがたいんだか人気がないんだかよく分からない文句がジャケットに印刷されている。そして、中には確かに「958」とプリントされた紙が入っている。 うーん、残念だが、ちっともありがたみがない。 …

飛行機で考えた

たまに飛行機に乗ると、人類もついにこんな視点を得ることができたか、なんと素晴らしい時代に生きていることよ。などと、ふと思う。 いかに日ごろ飛行機に乗り慣れていないかがうかがわれる、微笑ましいエピソードであると言えよう。 さて、飛行機の窓から…

屋久島で考えた(6)

以前、屋久島に行ったことがある。 ここには、「もののけの森」と呼ばれる、白谷雲水峡という場所がある。 映画「もののけ姫」に出てくる森のモデルとなった場所で、水が豊富なため、全てが緑の苔に覆われていて、とても神秘的で美しい所だ。 さて、そんな所…

屋久島で考えた(5)

以前、屋久島に行ったことがある。 岩崎ホテルという所に泊まったのだが、ここは部屋から山と海の両方が見える素晴らしいロケーションで(泊まるなら、両方見える「山側」がお勧めである。)、料理もおいしく、良いホテルであった。 また、吹き抜けになって…

屋久島で考えた(4)

以前、屋久島に行ったことがある。 島全体がエネルギーに包まれているようだった。 海と山が近くにあり、海はエメラルドグリーン、山も様々な種類の緑色におおわれていた。 水が豊富で、山道の至る所から湧き出していた。 街には信号機と自動販売機が異常に…

屋久島で考えた(3)

以前、屋久島に行った。 ここには日本で唯一の照葉樹の原生林があり、そのため世界遺産に指定されている。 さて、そんな森を歩いていて考えた。 森は循環している。 この島は花崗岩でできていて、土壌がとてもやせているから、まずは岩の上に苔が生え、水分…

屋久島で考えた(2)

以前、屋久島に行ったことがある。 有名な縄文杉を見るためには、往復で10時間近く歩く必要がある。 まあ誰でも歩いているし、ツアーガイドの人などは毎日往復しているのだろうから、たいしたことはないのだが、それでもちょっとした覚悟と気合は必要にな…

屋久島で考えた(1)

少し前、屋久島に行った。 「もののけ姫」の背景を描くために宮崎駿一行がロケに行ったのは有名だ。 背景画を超える、素晴らしい所だった。あたりまえだ。 少し移住を考えた。 そこで感じたこと。 まず、森の色が違う。緑は一色ではなく、そこにはいろいろな…

「CHUCK」SUM41

久しぶりに、熱い衝動が俺を貫いた。 というか、完全な、衝動買いだった。 SUM41の「CHUCK」を聴く。 まったく知らなかったが(なんて読むんだ?)、店頭で試聴してすぐに買う。 これもまたポップで良い。 ジャンルはメロコア〜ロック? 若い衝動。破壊衝動…

「海辺のカフカ(上)」村上春樹

再読。 こんなに立て続けに小説を読んだのは、久しぶり。 これも、「アフターダーク」の読後感が中途半端だったおかげといえる。 さすがは村上春樹である。読書欲をありがとう。 ところで、この本、改めて読むと名作である。 最高傑作ではないか? 軽さと深…