2000-01-01から1年間の記事一覧

2000年に読んだ本

「影の現象学」 河合隼雄 「神の子供たちはみな踊る」 村上春樹 「タイタンの妖女」 カート・ヴォネガット・Jr ☆☆

潮流

<失われた10年> 1990年代は「失われた10年」と呼ばれる、長期的不況の時代であった。 1990年代は「相対化の時代」でもあった。あらゆるものが相対化された。 ・社会主義の相対化:ベルリンの壁崩壊(1989年)が象徴している。 ・産業文明の相対化:京都会…

歴史〜堺屋太一を読んで

堺屋太一氏は頭がよい。 それは混沌とした状況に対し、歴史から大きな視点を持ち込んで、それによって流れを読みとり、方向を指し示すからだ。 その話を聞くと目からうろこが落ち、そうかそうだったのか、こんなに明白に目の前にあった事実が見えなかった自…

この時期、週末の街はすごいことになっている。 なんだこの人間の数は? 寒いから、みんな寄りそいたいのだろうか。 しかし真夏でも混み合っている場所である。 その相乗効果たるや。田舎者の私は祭りでもあったのかと思ってしまった。 とにかく冗談のような…

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(フィリップ・K・ディック)

映画「ブレードランナー」の原作。 「死の灰が降り注ぐ核戦争後の地球。(といっても舞台は1990年代だ!)人々は召使アンドロイドを連れて他の惑星に移住していた。残っているのは精神異常者を含めたわずかな人々だけ。そして、他の惑星から脱走してきたアン…

無意識

フレーム型にしてみた。 このホームページ*1は、「全部無料で作るホームページ」という本に従って全部無料で作っているため、「フレーム」に対応させるのも結構面倒だったりする。 おかげで、当初からフレーム型にしたかったのだが、作成に1ヶ月もかかって…

リンク

ちょっとつながってきてる。 まずフランクルと丸山圭三郎がつながった。 そして自分で書いた文章がつながった。 のはこれらの本の時間差影響だから当然か。 「流れよわが涙、と警官は言った」(フィリップ・K・ディック)をなぜか急に読んだのだが、それが…

決断

忙しさの中にまぎれて、テレビの中に、音楽の中に没入して、人は何から逃げようとしているのだろうか。 まずはスピードを早め、効率化を進めることに力を注ぐ中、何を先送りにしようとしているのだろうか。 何を見ないようにしているのか。 きっと、「決断」…

丸山圭三郎

「言葉・狂気・エロス」 (見えてくるものは)<言葉を話すヒト>、<象徴を操り操られる動物>が生きる世界の質的差異と文化の無根拠性である。 >> 境界線によって分けられ固定化される全ての区別、差異化は、ほとんど生物学的な根拠をもたない恣意的分割を…

V・E・フランクル

「それでも人生にイエスと言う」フランクルは、ナチスの強制収容所に収容された心理学者である。 その極限状況の中でも、希望を失わず、そして自らの思想を深めていった人だ。 だから、解放された翌年に講演で話されたというこれらの言葉には異常なほどの説…

更新中

○今日も「WORDS」更新。 掲示板で宣言した通り、「勉強」「構築」「有益」辺りを目指すことにしたのだ。 感銘を受けた言葉を集めるというのは、いつかやりたいと思っていたことだ。 そして、こんなこともあろうかと、本は結構自分で買うことにして、そ…

クール

前言を翻すようで恐縮だが、テレビを観ていたら(笑)、浅井健一とUAが同じバンドで演っていた。 かっこよすぎる。ベンジーがギターだけとは贅沢過ぎる。(そして2人とも常人とはテンポが違いすぎる。) 何故にこんな素敵なことが起こるのか。どうも近年…

ミラン・クンデラ

「存在の耐えられない軽さ」 (人間の生活)はまさしく作曲のように構成されている。美の感覚に導かれた人間は偶然の出来事をモチーフに変え、そのモチーフはもうその人間の人生の曲の中に残るのである。 (女たちは)個体であるという幻想をかなぐり捨て、…

「偶然の音楽」(ポール・オースター)

破滅に向かう人々に惹かれてしまう。「眩暈の感覚」(ミラン・クンデラ)というか。 過剰を抱えた人間、弱い人間には美の感覚がある。それはボーダーラインぎりぎりの所で生きているために、強烈な「生」そのものを体験するからだろう。主人公は職を捨て、車…

中村一義

初めて音を聴いたとき、全く新しい音だと思った。 初めて聴く自分より下の世代のミュージシャンだったが、そんなことは全く関係ないことが分かった。 新しい世代の天才だ。 下の世代のほうが、優れた表現ができるのかもしれないと思った。多分、我々の世代は…

「GOGOモンスター」(松本大洋)

客観的には、「学校に適応できずに『あっち側の世界』が見えちゃってる少年が、ついにあっち側の闇の世界に陥ってしまう。しかし現実の世界の唯一の友達の存在のおかげで戻ってこれる。」という話。 …こう言っちゃうと身も蓋もないな。2,500円もする分厚い本…

歯車

モーターのついた歯車になりたい。 人は社会の歯車だ。 よく「組織の歯車」とか言うけど、自由業だって自営業だって歯車の1個には変わりないわけで。 そう思ってない人は単にそれに気づいてないだけで。 仮にも社会に出て、お金もらって生活してる人は、み…

「SAPPUKEI」(ナンバーガール)追記

違っていた。 俺は間違っていた。 このアルバムは名作だった。4月に入ってから仕事が忙しくなり、自分の時間が持てなくなったので、CDウォークマンを購入し、通勤時間をささやかな趣味の時間にあてることにした。 無駄なテキストを書くようなエネルギーも…

「ARE YOU EXPERIENCE」(JIMI HENDRIX)/「SAPPUKEI」(ナンバーガール)

なぜか今、ジミ・ヘンを買う。 何故って、アップルのCMを見て、カッコよかったからだけど。なぜか今、「ナンバーガール」を買う。 最近ネット上で目にするが、身の回り(現実世界)では全く話題にも上らないこのグループ。 1回聴いてみる。 これもまた「…

今日の羽衣☆夢日記    

悪夢を見た…。自分は大学生だと思ってバンド活動などをしていたが、よく考えたらまだ試験に受かっていなかった。 まだ浪人中だった。 同級生だと思っていた奴は先に受かっていたのだった。 いかん、もう秋だっていうのに。 最近英語も読んでいない。日本史も…

今日のトキメキ☆夢日記

深く病んだ夢を見た…。自分は二つの体を持っている。 そして入れ替わることができる。 と思っている。 しかしそれは秘密にしている。 部屋の押入れの中を探す。 確かここにもう一つの体があったはず。 ギターケースのようなナイロン地の大きな黒い袋。 その…

光と闇〜芸術家〜

ジミー・ヘンドリックスは「頭のなかの悪魔がオレにギターを弾かせる」と言ったという。 芸術家は誰でもその頭の中には悪魔が住んでいるのだろう。 その現れ方が個性であり、その伝え方が技術である。 頭の中に悪魔がいなければ、いくら技術があっても「職人…

小沢健二 インタビューの世界(3)

■『月刊カドカワ』(1995年2月)(「「LIFE」の華やかでハッピーな生活って、かつての自分の失われた青春時代の反動じゃないかとかって思わない?」)「失われた青春時代を取り戻すにしては、いまだに人付き合い悪いぞ、やっぱ。・・・・・実際、今の僕…

小沢健二 インタビューの世界(2)

○『WHAT'S IN?』1993年10月 (インタビュー)「(フリッパーズは)外部の人が入ってきちゃうと変になっちゃうような、完璧にふたりだけの構図というものがあった。密室の双子状態(笑)ですな。」「フリッパーズがやっていたことは、あのふたりでしかできな…

小沢健二 インタビューの世界(1)

以下は、フリッパーズ・ギターのシングル「グルーヴ・チューブ」の、自分達で書いたライナーノーツである。(1991年4月号の「ロッキンオンJAPAN」より。)「男女8人ティラミス食って石純カットでユーノス乗ってサンリオ・ランドに行く」(ポパイ)「…

小沢健二の世界(5) 刹那

音源は全てCD-Rに焼いて持っていた。 それでも発売を心待ちにしてしまった。 そして購入後はヘビーローテーションになってしまった。 まったく、いつからこんなにファンになったのだろう。 こんなにも「青春」の音になろうとは、当時は思いもしなかった。 こ…

小沢健二の世界(4) eclectic

「eclectic」のちゃんとしたレビューへの要望を、いくつか頂いた。 自分としては、別項できちんとカタをつけたつもりだったのだが、どうやらごまかしきれなかったようだ。(当たり前だ。) 正直に言うが、とても、書きづらい…。 まず、歌詞が頭の中に残って…

小沢健二の世界(3) LIFE

なぜこの人のアルバムはどれも、最初の印象が途中で変わるのだろう。 きっと、曲に込められているエネルギーが大きすぎて、受け手にはすぐに分かるだけのキャパシティがないのだ。 最初は、正直「無理してる」と思った。「犬」を引きずっているような、まだ…

小沢健二の世界(2) 犬は吠えるがキャラバンは進む

フリッパーズ時代、小沢健二は混乱とあきらめとニヒリズムと絶望のノイズの中で、無限にゼロを目指した。 しかし、自分の奥底に沈み、その果てでついに限界をつきぬけた視点は、逆に高く、広く、宇宙にまで達する。 そして、そこから再び日常に戻ってきた目…

小沢健二の世界(1) 〜フリッパーズ・ギター

<カメラ・トーク> 今改めて歌詞を読んでみると、意外なほど本音(多分)がちりばめられていることに驚く。 本人が後に、「自分はその時々の状態が正直に曲に出る。」と語っている通りだ。 しかし、当時最初に聴いた時には、驚くほどそれが見えなかった。 …