2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧
1つのコップがある。中には泥水が入っている。 この水をきれいにしたいと思う。 一番良いのは、放っておくことだ。 泥は沈殿し、上澄みは透き通る。 しかし、水と泥とがきれいに分離してくると、泥だけがきれいに取り除けるのではないかと思ってしまう。 そ…
分かりやすく、感動的。 1884年の作品が「分かりやすい」ということがすでにすごいことだ。主人公の裁判官の生涯には、普通に共感(もしくは理解)できる。 彼の生涯は、普通に地位や名誉を求めるもので、向上心にも溢れている、悪くないものだ。という…
再読する。 やはり、村上春樹の最高傑作であると思う。 世界を突き動かす大きなもの―「運命」のようなもの―と、その道具としての人。 完全に受け入れ、受動的になることで、「運命」は向こうから訪れる。そして、本当に意味のある「役割」は、そのようにして…
とてもポップで明るい。 ダイアナ・ロス&シュープリームスとジャクソン5が、特に際立っている。 ダイアナ・ロスのハスキーかつキュートな歌声は、もう反則だ。 マイケル少年の伸びやかな歌声もまた、輝いている。才能が溢れだしている。 どうしても考えて…
この作品を書いた後、岡崎氏は交通事故にあった。その後、リハビリを続けておられるようだが、もう作品は書かないのではないかと思う。これが「遺作」になるのではないかと思う。 これが書かれたのは1996年だった。 加速するイメージと欲望。快楽の追求…
昨日書いた「スパイダーマン2」の感想つながりで。 「I can fly!」と窪塚は実際に飛んだけれど、飛ぶ前に観ていた。 もう、とにかく泣けた。爽快感と、カタルシスで。映画として、素晴らしい。ベストに近い。 原作も、というか原作こそ最高だと思っていたの…
アクションと恋愛、エンターテイメントと深さのバランスが取れていて良い。 楽しめて、かつ泣ける。 主人公は、自分の生活を犠牲にし、彼女には理解されず、マスコミからも叩かれる。だから、葛藤がある。しかし、結局は自分の信じる正義のために生きること…
海賊版である。「全世界限定1000枚発売」などと、ありがたいんだか人気がないんだかよく分からない文句がジャケットに印刷されている。そして、中には確かに「958」とプリントされた紙が入っている。 うーん、残念だが、ちっともありがたみがない。 …
たまに飛行機に乗ると、人類もついにこんな視点を得ることができたか、なんと素晴らしい時代に生きていることよ。などと、ふと思う。 いかに日ごろ飛行機に乗り慣れていないかがうかがわれる、微笑ましいエピソードであると言えよう。 さて、飛行機の窓から…
以前、屋久島に行ったことがある。 ここには、「もののけの森」と呼ばれる、白谷雲水峡という場所がある。 映画「もののけ姫」に出てくる森のモデルとなった場所で、水が豊富なため、全てが緑の苔に覆われていて、とても神秘的で美しい所だ。 さて、そんな所…
以前、屋久島に行ったことがある。 岩崎ホテルという所に泊まったのだが、ここは部屋から山と海の両方が見える素晴らしいロケーションで(泊まるなら、両方見える「山側」がお勧めである。)、料理もおいしく、良いホテルであった。 また、吹き抜けになって…
以前、屋久島に行ったことがある。 島全体がエネルギーに包まれているようだった。 海と山が近くにあり、海はエメラルドグリーン、山も様々な種類の緑色におおわれていた。 水が豊富で、山道の至る所から湧き出していた。 街には信号機と自動販売機が異常に…
以前、屋久島に行った。 ここには日本で唯一の照葉樹の原生林があり、そのため世界遺産に指定されている。 さて、そんな森を歩いていて考えた。 森は循環している。 この島は花崗岩でできていて、土壌がとてもやせているから、まずは岩の上に苔が生え、水分…
以前、屋久島に行ったことがある。 有名な縄文杉を見るためには、往復で10時間近く歩く必要がある。 まあ誰でも歩いているし、ツアーガイドの人などは毎日往復しているのだろうから、たいしたことはないのだが、それでもちょっとした覚悟と気合は必要にな…
少し前、屋久島に行った。 「もののけ姫」の背景を描くために宮崎駿一行がロケに行ったのは有名だ。 背景画を超える、素晴らしい所だった。あたりまえだ。 少し移住を考えた。 そこで感じたこと。 まず、森の色が違う。緑は一色ではなく、そこにはいろいろな…
久しぶりに、熱い衝動が俺を貫いた。 というか、完全な、衝動買いだった。 SUM41の「CHUCK」を聴く。 まったく知らなかったが(なんて読むんだ?)、店頭で試聴してすぐに買う。 これもまたポップで良い。 ジャンルはメロコア〜ロック? 若い衝動。破壊衝動…
再読。 こんなに立て続けに小説を読んだのは、久しぶり。 これも、「アフターダーク」の読後感が中途半端だったおかげといえる。 さすがは村上春樹である。読書欲をありがとう。 ところで、この本、改めて読むと名作である。 最高傑作ではないか? 軽さと深…
スコットランド出身の4人組バンドのデビュー・アルバムで、トーレ・ヨハンソンがプロデュースを担当という。 80年代のロックを思い出す。 目新しさはない。 それは当然で、皆が同じような楽器とエフェクターを使って、何十年も同じようなことをやっていれば…
数年前、たまたまビーチボーイズの「ペット・サウンズ」(1966年)を聴いて、衝撃を受けた。 なんという、ポップさと深さの共存。 ロックとサイケの融合(?)。 透明な美しさ。 ビートルズ好きなのだから、もっと早く聴くべきだったのかもしれない。 そう思…
正直、退屈だし、分かりにくいところがある。 世界観は前作の「攻殻機動隊」で示されたものの延長線である。ただ、先には進んでいる。 絵のクオリティはやはりすごいが、CGが若干多すぎるか?とも思う。でも、あの光の質感はCGでなければ出せない、と思…
「ねじまき鳥クロニクル」村上春樹を再読した。 恐ろしくディープで陰鬱な物語で、良くも悪くも影響を受ける。 いつもの「死と再生」というテーマが繰り返されているが、他の作品と比べてもかなり深い。そして不快…。 「僕」には仕事もなく、猫もいなくなり…
本当は、発売日に購入し、9月9日頃には読了していたと思うけれど…。 割と薄めの話。 「向こう側の世界」や「暴力」や「闇」が日常の紙一重のところで口を開けているという話ではあるものの、それほど深い所までは行かない。 都市で一夜に繰り広げられる物…