屋久島で考えた(1)

少し前、屋久島に行った。
もののけ姫」の背景を描くために宮崎駿一行がロケに行ったのは有名だ。
背景画を超える、素晴らしい所だった。あたりまえだ。
少し移住を考えた。


そこで感じたこと。
まず、森の色が違う。緑は一色ではなく、そこにはいろいろな種類の緑色があった。
屋久島には照葉樹の原生林がある。原生林には、様々な植物が生え、その数だけの様々な緑色が存在していた。
関東近郊の山の緑は一色である。それは、人工的に同じ木ばかりが植えられた森だからだ。
そんなことが、「思い出ぽろぽろ」の中で言われていたことを思い出した。そして、屋久島で、初めてそのことを実感した。


そして、そんな森を歩いていると、「時間が循環する」ことなんて、当たり前のように思えた。
苔が生え、木々が茂り、森ができる。木々は枯れ、新しい世代が生まれる。
時間は循環し、らせんを描いて前に進む。
「一直線に進む時間」なんてものは、自然と切り離された西洋の都市で生まれた、病的な発想なんじゃないかと思った。