しりとりエッセイ8:「ドラッグ」

ドラッグ(麻薬)は悪魔の物質である。絶対に手を出してはいけない。
などと思われているが、なぜだろう?ドラッグにも色々ある。


例えば大麻なんかは、タバコよりも害は少ないから禁止するのはおかしい。
などと言われていたが、言われてみればそうかとばかりに、大麻が合法にならずにタバコの方が禁止の方向だ。
そっちかよ?という感じだ。
僕は大麻吸いではないが、タバコ吸いではあるので、最近肩身が狭くて嫌である。


覚せい剤などは体がぼろぼろになるらしいので、禁止するのは親切みたいなものだが、中毒性の薄いと言われる大麻が禁止されるのはなぜだろう。
意識の変容をもたらすから嫌われるのだろうか?
だったら酒はもちろん、この際コーヒーやチョコレートも禁止すべきではなかろうか。


両者に違いがあるとすれば、大麻による意識の変容が一時的ではないことだろう。
別の世界が垣間見えてしまうのだ。と聞く。
元の世界には戻れないのだ。とも聞く。
そんなことになったら、まともに働かなかったり、反権力的になったりしてしまう恐れがあるので、「権力」にとっては許しがたいのかもしれない。

そうは言っても、その影響を受けたものの方は野放しになっているのだから、片手落ちではないかとも思う。
ビートルズ大麻の影響で作品を作ったことは有名な話だし、ロックの名盤には結構ある。
教会のステンドグラスだって、仏教の曼荼羅だって、ヒッピーの着てるサイケなTシャツだって、トランス系のCDのジャケットだって同じものを表現しているし、テクノも当然そうだ。
サイケデリックカルチャーやトランスパーソナル心理学なんてのも、そのまんまだ。と聞く。


それらが全て麻薬の影響だとは言わないが、「脳内麻薬」によるのだとしても、結局同じものを見て、同じことを感じているのだとしたら、どちらでも同じことではなかろうかと思う。外部から取り入れても別に構わないのではないかとも思う。
表現された物の存在が許されるのなら、表現することも良いのだろうし、それを見ても良いのだろう。
だったら、何も問題はないはずだ。

表現物を有り難いものにするために、敢えて禁止しているのだろうか。
有り難いことである。


などと書くと、イリーガルドラッグの合法化を訴えているようだが、全くそんな思想はなく、単に文章の流れに乗っていたらそんな論調になってきただけである。
別に合法になっても嬉しくないし、そんな薬に興味もない。