開放

気合を入れていたわりに仕事が暇だったってこともあり、閉塞状態が続いていた。
頭が重く、いくら寝ても眠かった。

たまたま、「ピンポン」(松本大洋)、「サイファ覚醒せよ」(宮台真司)、「キッチン」(吉本ばなな)と、立て続けに影響力を受ける本に出会う。
開放されてくる。

日々をきっちりと過ごすことが大切だと感じる。
整理整頓をし、シーツの皺を伸ばし、洗濯物をきちんとたたむような。
手を抜かないでしっかりと作業を積み重ねていくような。
面倒くさがって効率を追求して手抜きして、結局余った時間に暇を持て余してたりしないで、丁寧に、瞬間瞬間を積み重ねるようにして生きていくことが、それだけが大切なことなのかもしれないと思う。

美味い蕎麦屋と流行らない蕎麦屋の違いみたいなものだ。
流行っている店はきちんとしている。掃除が行き届き、料理はしっかりといつも同じ味で作られている。
流行らない店は汚く、空気は淀んでいる。油が古く、味は不安定だ。

整頓された台所。清潔なふきん。真っ白いシーツ。決められた筋道。積み重ねられた手順。生の作り出す秩序。注ぎ込まれた魂。命の燃焼。輝き。美しいものの全て。
そんなものが大切なのかもしれない。