ワーカホリック 

俺、ワーカホリックかもしれない。
つい先日、退屈だと書き散らかしたが、それは仕事がないが故の禁断症状だったらしい。
今日いきなり忙しくなったんだが、そうしたら急に元気になった。
人間、一度でも激しく忙しい時期を経験すると、そういう状況で脳内麻薬が分泌するような条件反射ができてしまうものらしい。
忙しさとか困難とかを感じると、なんだか楽しくなってわくわくしてしまう。
こうして登山家は山にハマり、マラソンランナーはマラソンにハマり、ワーカホリッカーは仕事にハマるのか?
脳内麻薬のせいか、自信がみなぎり、元気が溢れ、人には何かを分け与えたくなり、声もでかくなる。眠気も吹っ飛び景色が変わる。女の人がみんなきれいに見える。あきらめていた背がぐんぐん伸びる。ワキガが治る。小麦色の肌になる。歯が真っ白になる。宇宙パワーでモテモテだ。何だか分からないがハイテンション状態だ。気分は無敵だ。何も怖くない。
きっと、人間、ある程度の重さを背負わないと、心も体もおかしくなるのだ。考えてみれば自由時間が苦手だった俺は、軽さには耐えられないのだ。存在の耐えられない軽さ。やることがないと時間をつぶせない。
なんだか、責任、みたいな感じとか、俺がいなければ、みたいな錯覚って、錯覚だとしても、そして結果たいした意味はないとしても、心地よいものだ。
でもそれには条件があって、それはみんなで重さを背負うってこと。一人で重さを背負うのは苦行だった。好きでやってたようなところもあるんだが、でも「なんで俺ばっかり。」と思ってしまう時にはやりきれない思いが残る。
だけど、チームプレーで、人数以上の仕事があってみんなが忙しいのは、文化祭の前みたいで楽しい。
そしてまたハマってしまうんだろう。そしてより強い刺激を求めるようになっていくんだろう。そして刺激がないと耐えられない体に…。
でも、なんちゃってワーカホリックだから「過労死」とかそういう言葉とは関係ないし、のんびりした会社だから、これくらいが世間の普通なのかもしれないけど。
まあ、結論としては、たくさん働く人はみんな楽しいから働いてるんだろうなってことだ。