関東に嵐が来た。
ビルの中から暴風雨を眺めた。
雨は波打ち、風は吹き荒び、街行くわずかな人はテレビみたいに傘を壊した挙句ダッシュしていた。
それをみんなで指差して笑った。
人が亡くなったりして大変なのだが、みんな嬉しそうだった。
不謹慎だという感情を隠そうともしないほどに、みんな嬉しそうだった。
人ごとのように書いている自分が一番嬉しそうだった。
みんな破壊を求めているんだろうと思った。
街が壊れ、大きな被害が出ることを、みんな心のどこかで望んでいる。
自分とは関わりのないところで、それが起こることを望んでいる。
それは闘牛を見るとの同じこと。そうして人は過剰を紛らわす。