なまじ久々に長い休みがあったもんで、夢を見る時間やら夜更かしをする体力やら考える時間やらができて、言葉にならない言葉の断片が脳の奥で疼いている。
文体まで変わったな。
ユングの入門書を読み、日野啓三の「自選エッセイ集」を読み、「2001年宇宙の旅」のリバイバル上映を観て、夢もたっぷり見たら、心はすっかり非現実の世界だ。(呑んだり山に行ったり呑んだり呑んだりもしたが。)

ユングによれば、夢に現れる無意識の世界の「元型」を意識化することによって自己の完成に近づくことができるし、日野啓三氏も、心の奥底の言葉の生まれ出る場所で対話することを述べ、「寝ろ、夢を見ろ」と誘いかけるし、時間はいっぱいあるしで、心はいまだ夢の世界をさまよっています。

昼の現実の世界では白日の下にあって何かが隠されているけれど、夢とその奥の無意識の世界では闇の中で全てが示されている、という逆説は成り立つのかもしれません。深い夢のなかで全てが分かるという感覚におちいるのは、深いドラッグ体験と同じで、無意識の奥の共同無意識の存在を思わせます。そこには確かに日常とは違った法則/論理/時間が流れています。

夢と眠りの世界を初めて高らかに歌い上げた(?)ロックスターはジョンレノンでした。ロックスターだってのになんて内向的な。でも無意識の世界に潜ったからこそ、深く濃いものが残せたのでしょう。
そういえば「夢工場'87」なんてのもあったな。でもあれは失敗イベントだった。何も残ってない。