1992年に読んだ本

読み終わった後、部屋を暗く感じた。それほど、物語の中に「光」を感じていた。

このような知的な学生の青春ものは少ない。サリンジャー梶井基次郎くらいか。

主人公が成長していく小説だが、上巻で追い越された。下巻は途中で挫折した。

  • 「きけわだつみの声」   ☆

当時の多くの人のように、現代思想をかじるきっかけを作る。

  • 「のほほん雑記帳」 大槻ケンジ

溢れる固有名詞。記号の渦。
高度資本主義の中で、我々は孤独なステップを踏み続けるしかない。

知的なパロディーというものに非常なる共感をした。力を持っていない者にとって、パロディーは攻撃の方法となる。今にして思えば。

  • 「ダミアン」 へルマン・ヘッセ ☆☆
  • 「社会科学のための哲学」 田村正勝  ☆☆☆

社会科学と哲学の関わり。この本を読んで、社会科学の歴史が分かり、初めて興味が持てた。専門化・形式化が進んだ学問の中で、この先生は流れと意味を教えてくれた。