1991年に読んだ本

  • 「「気」には無限の力がある」 山口令子 ☆

「不条理」な感覚に近しい年頃だった。未来は断絶されていて、太陽の熱にやられて人を殺すことだってあり得ると思った。

訳が分からず、途中で何度も読むのが嫌になったが、それでもある種の傑作。現実とは何か?狂人の妄想かもしれない。脳は物思わず、体中の物思う細胞の電話交換機に過ぎないのかもしれない。

文語体独特のリズム。当時、強く戦争を嫌ってはいたが、そこにある種の「美」を感じないわけにはいかなかった。

冷静で知的な文章で、読むとなぜか元気になった。