1989年に読んだ本

意外とどっちが書いたのか分からなかった。

  • 「ペンギニストは眠らない」(糸井重里)  ☆

この人の文章のセンスには後々まで影響を受ける。

憂鬱な感覚に恐ろしいほどぴったりとくる。丸善の画材コーナーに檸檬を置いて来たくなるような苛立ち。

衝撃を受け、読んではいけないものを読んでしまったように思い、読む前と読む後で変わってしまったと思う。とまあ、とても深いはまり方を示した。自意識の目覚め。自意識と言葉が生まれてしまったら、後はどこまでも追求していくしかない。(その結果が今か?)

  • 「ふぞろいのリンゴたち」(山田太一)  ☆

性格も境遇も全く違う主人公たちの哀愁に共感していた高校生当時の自分。誰にでもそう思わせてしまうところが素晴らしい脚本なのだろう。

「ジョニーは戦場へ行った。僕はどこへ行くんだろう?」ブルーハーツ真島昌利の歌詞の影響で読んだ。

真島昌利が読んでいたとインタビューで言っていた。よく意味がわからないながら、ある印象が残る。これも後に読んでみたらとてもよく意味がわかるようになり、大人になるって素晴らしい、と思う。

青春。でも本当に共感したのは大学生になってから。サリンジャーフリッパーズ。自意識過剰と苛立ち。プライドと絶望。

訳の分からない強烈なノスタルジーの感覚が残っている。ストーリーは完全に忘れたが。