「ブレードランナー」(映画)

原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(フィリップ・K・ディック)には感銘を受けたが、そこが全く映画に生かされていない。
感銘を受けた場所とは、例えば、
・アンドロイドと人間の区別がつかず、アンドロイドである自覚さえ曖昧で、自分で自分の根拠が分からなくなるような悪夢的な感覚。
(アンドロイド役の人、不自然過ぎ。一目で分かる。)
・宗教や、情緒のコントロールする道具などの数々の小道具的アイデア。(一切なし。)
・アンドロイドと寝てしまった主人公の苦悩。(映画じゃ最後一緒に逃げちゃったよ。)

…別物と思うしかない。
名高い「日本人街」などの映像によって、「悪夢的な感じ」は現されているのか。
「親父、4つだ。」「ノー、2つで充分。」「いや、4つだ。」「分かってくださいよー。」
この日本人の親父との会話が何を意味しているのかさっぱり分からないし、そういう意味では悪夢としか言いようがない。