共同幻想

人間は本能が狂っている。
根源にどうしようもないズレがある。
人間に「自然」はない。
動物にとっての自然は、敵/味方、食える/食えない・・・世界は、生きていくために明確に「意味」づけされている。
だけど人間は本能が狂っているから(天敵がいないから?)、自然状態であるのは、狂ったイメージのカオスのみ。
そこから逃れるために、不完全な記号である「言葉」を生み出し、それを媒介に「社会=共同幻想」を作り出した。そこではじめて、秩序と意味が生まれた。
つまり、言葉自体が社会の側にあるものであり、共同幻想とは生きていくために必要不可欠な道具であるということ。
100%の私的幻想はないし、仮にあったとしたら(狼少女とか)、それは完全な「狂気」だし、生きていく能力もないということ。
カオスを避けるための人工的な補助装置である共同幻想が、全ての人にとって快適なものでないのは当然のことである。しかし、生きていくためには、そこから逃れることはできない。